管理者の苦悩 〜DX化で負担は軽減するか?〜|ジョシュコラムVol.3

医療や介護の現場で「管理者」と聞くと、パソコンに向かって書類作業…と思われがちですが、実際は現場と事務を行ったり来たりの毎日です。まさに“二刀流”。このコラムでは、管理者の主な業務と負担、そしてDX化で何がラクになるのかを解説します。

管理者の主な業務

現場に出て介助をしたかと思えば、事務室で記録作業。管理者の主な仕事はこんな感じです。

・シフト作り(誰がいつ働くかの予定表)

・利用者の情報整理(記録や報告書)

・スタッフの相談やトラブル対応

・行政や関係機関とのやりとり

・物品や備品の管理

管理者の負担

現場の管理者にはこんな“あるある”があります。

・シフト作り地獄:「この日は休みたい」「この人は夜勤続きは無理」…パズル以上に難しい。

・書類の山:報告書や記録は紙でまとめると探すのも提出もひと苦労。

・突発対応:現場で「管理者さんちょっと!」と呼ばれ、そのまま事務作業が中断。

事務作業も、現場対応も、同時進行。終業時間を過ぎてもデスクに残って書類を片付ける日も少なくありません。

肩こりで疲れたスタッフの様子

DX化で無くなる負担

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉は少し難しそうですが、かんたんに言えば「手間のかかる作業をデジタル化してラクにすること」です。例えば次のような取り組みで負担がぐっと減ります。

・シフト作成アプリ:条件を入力すると、自動で人員配置案を出してくれる

・タブレット記録:現場で入力すると、すぐに全員に共有される

・備品管理アプリ:残り数が少なくなると自動でお知らせ

・書類作業ゼロ化:紙の報告書や申請書をデジタルで作成・送信 → 「印刷・押印・郵送」の手間がなくなる

これまで「探す」「書く」「まとめる」「提出する」にかかっていた時間と労力が大幅に減ります。

負担が無くなるとできること

時短を象徴する時計と人形

事務や書類に追われなくなると、次のような時間が増えます。

・利用者の様子をゆっくり見守る

・スタッフと一緒にケア方法を話し合う

・新しいイベントや取り組みを企画する

・自分の休憩もしっかり取る(これ大事!)

「早く片付けなきゃ」ではなく、「やってみよう」と思える仕事に時間を使えるようになります。

まとめ

管理者は、現場と事務をつなぐ大切な役割。DX化は魔法じゃないので全部を自動化はできませんが、シフトや書類などの“事務の山”をぐっと減らせます。ちょっと苦手…と思う方も、まずはひとつ便利なツールから試してみると、「あれ、前より余裕あるかも?」と感じられるはずです。小さなデジタル化が、大きなゆとりを生みますよ。

監修者プロフィール

富田寛生/作業療法士/修士(リハビリテーション科学)
100BLG株式会社 研究員